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もう・・・だめかも・・・
「艶子ー―――――――――!!!!!」
・・・へ?
「艶子だ!つやこだ!ツヤコだ!!TU・YA・KOだー―――――――!!!」
すごい勢いで走りよってきた男は、私に激突する形で思いっきり抱き着いてきた。
そのテンションは芸能人に会った女子高生っぽい。
先ほどのイメージとあまりに違うため理解が追いつかず放心してしまう。
「あぁ・・・艶子の匂いだ・・・。」
けれど、この言葉に抱き着かれている事実に気付いて正気に戻る。
「ちょっ・・・放し・・・」
「艶子!会いたかった!」
私の抗議の声なんて耳に入らないように、ひたすら抱きしめながら、艶子艶子と叫んでいる。
ちょっと、何この人!?さっきと別の意味で怖い!!
「私は艶子じゃありません!!」
精一杯の声量で叫ぶと、その男の動きが止まった。
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