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細かいことはいろいろあるけれど、一番呆れたのは、昔の写真を見られた時だ。
そこには幼い私と両親が写っていて、私を艶子と思うならどう考えてもありえない写真だ。
今度こそはばれると思ったのに、マオの言葉はこうだ。
「艶子の小さい頃の写真なんて貴重すぎる。肌身離さず大切に扱うから俺に譲ってくれ。」
もう私が一から十まで説明しないかぎり、何をしても気付かないんじゃないかとさえ思えた。
ちなみに写真はあげなかったけど、
「そうだな。俺が艶子の子供の頃を一度でも目に出来ただけで、身にあまる強運だ。ただでさえ今年は運がよすぎるのに。」
と若干恐ろしげに言われて、
大丈夫、あんた全然ついてないから。
と言いそうになった。
とにかく、マオの鈍さに気が緩みまくっている。
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