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駄目だ。
もう息が続かない。
運動不足かな?
夕日が街を鮮やかなオレンジ色に染める頃、
一人の女子高生が綺麗な黒髪を乱しながら走っていた。
吐く息が白くなるような季節にも関わらず、汗がこめかみを湿らせている。
「・・・もう、いい加減にして。」
閑静な住宅街を走り抜けるその姿は危機迫るものがあり、
明らかに何かから逃げているのだけれど、背後には何もいない。
・・・いや、
いないのではない。
見えないのだ。
普通の人間には・・・
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