懐が深いのとバカは紙一重

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「おばあちゃん?」 ・・・めんどくさっ。そこからか。 「あのねぇ・・・、あなた昨日55年ぶりの痛みって言ったよね?」 「55年と1ヶ月と23日だ。」 細かいな…。 「あ、そう…。つまり、55年と1ヶ月と23日間『艶子』に会ってないと思っていいのよね?よく考えて。その年数を踏まえた上で私を見てどう思う?」 髪の毛で隠れてよく分からないけど、たぶんマオは私を上から下まで観察しだした。 「・・・あ、」 「気付いた?」 「少し若返ったか?」 ・・・えーと・・・ 「55年たっても変わらぬその若々しさ・・・さすが艶子は普通の人間とは一味違うな。」 つか、もうそれ人間じゃないだろ。 「あのね、そうじゃなくて・・・」 「あ!」 今度こそ気付いてくれた? 「少し太ったか?・・・の割に胸が小さくなって・・・」 マオを椅子ごと吹っ飛ばすほどの右ストレートを繰り出してしまったけれど、私はきっと悪くない。
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