懐が深いのとバカは紙一重

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「『もし、私が呼ぶまで一切目の前に現れず、遠くから見ることもしないなら・・・一生添い遂げてあげる。』と艶子が言ったんだろう。」 ・・・それ、体よく追い払われてるんじゃ・・・ ま、まさか・・・ 55年間も会わなかったのは・・・ 「長かった・・・まさか55年と1ヶ月と23日も待たされるとは思わなかったよ。」 だから日にちが細かいのね…。指折り数えてたんだね…。 なんだか目頭が熱くなってきた…。 「艶子・・・。」 低音のよく響く声が、うっとりと別人の名を呼ぶ。 何だろう・・・ この感情・・・
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