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今まで同じ状況でも助かっていたのは、真由里の祖母が圧倒的な力で、真由里に危害を加えようとする人外の者を追い払っていたからだ。
けれどその祖母は、つい三ヶ月ほど前に亡くなってしまった。
真由里に一つの言葉を残して・・
やばい。呼吸が苦しい。
足が重くなってきた。
後ろをチラリと振り返ると、あいつらとの距離がゆっくり、けれど確実に縮んでいる。
本当にやばい。
手の平の汗が尋常じゃなくて、自分で思ってる以上に今が危険な状態であることを表していた。
『真由里。私はもう長くない。・・・』
どうやって逃げ切るか考えなくちゃいけないのに、
ふと、おばあちゃんが亡くなる3日前の記憶が鮮明に甦り、そのことが頭を占拠した・・・
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