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用意を済ませて玄関に向かう。
するとマオは私のコートと鞄を持ってすでに玄関にスタンバイしていた。
靴も揃えてしっかり用意されている。
近づくと腕が通しやすいようにコートを広げて持った。
そう、マオは完全な下僕…ゲフンッ、
執事体質だ。
こいつは『艶子』の恋人じゃなく、下ぼ…ゲフンゲフン、執事の立ち位置を狙っているんじゃないかと疑いたくなるくらい。
「さぁ行こう、艶子!」
そう言って腕を私の首に巻き付けた。ウットオシイ…
ほんの一瞬前まで完璧な執事だったのに・・・。
「いってらっしゃい、真由里。マオ君。気をつけるんだよ。」
え?お父さんいつの間に!?
「ああ、艶子のことは任せろ。」
「・・・いってきます。」
お父さんいつからいたんだろう?
私は内心びっくりしたけど、マオはいたって普通。
気配を消し、突然現れる父にすでに慣れたみたいだ。
もう本当に、私より我が家に馴染むのはやめてほしい。
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