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窓の外を眺めると大量の落ち葉が、道をまだら模様に彩っている。
反比例して周りの木々が寂しい。
初めてその景色に薄ら寒いものを覚えた。
振り払うように視線を目的の部屋に移し、ふすまの前に座って深呼吸をする。
通い慣れた部屋なのに、なぜだか緊張した。
「おばあちゃん?起きてる?入っていい?」
「真由里かい?どうぞ。」
聞き心地のいい、いつもの声にいくらか安堵を覚えた。
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