112人が本棚に入れています
本棚に追加
/257ページ
マオが消えた。
いや、実際は凄い速さと高さで空に跳んだ。
マオを目で確認できた時には、角が生えた鬼っぽい人の首を掴んで既にこちらに落下してきていた。
そして、落下スピードを全く緩めず、鬼を頭から地面に叩きつけて着地した。
「グガッ!!・・貴・・様何者だ!」
やはり人間ではないようで、あの高さから叩きつけられてもまだ生きている。
「俺を知らないのか?貴様見た目の割にかなりのガキだな?」
ふと、マオがこちらを見た。そして何も言わず鬼に向き直った。
「・・・彼女に感謝するんだな。ガキは殺すなと言われているんだ。今回のことは目をつむってやる。
だが・・・・次はないと思え。」
私は何も言っていない。おそらくおばあちゃんの言葉だろう。
そうしてマオが手を離すと、鬼は一目散に逃げていった。
情けないことに、私はこの一連のやり取りの間ヒッと息を留めた以外、一切動くことが出来なかった。
最初のコメントを投稿しよう!