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「俺は姿を消せるが、艶子はそうはいかないだろう?なるべく人目につかない方法を選んだんだが。」
確かに姿を消した状態で抱えて走ってもらったら、私はちょっと浮きながら、凄いスピードで移動している人になる。
大騒ぎになるね。
ただでさえ私はご近所さんに、何も無いところを見つめて話す人として、奇異な目で見られているのに・・・
例えマオが姿を現していても、あのスピードじゃ、騒ぎになる。
学校の正門じゃなく、わざわざ裏山で下ろしたのも、人目につきにくいからだろう。
「俺も姿を消さないで、艶子を隠すようにしていたから、万が一見られていても、近所のやつとかに、艶子だとばれないと思うぞ。」
・・・妖怪の類のくせに、人間の都合をちゃんと理解し、気を回してくれていたらしい。
・・・・マオは思ったよりも、バカじゃないのかも知れない。
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