マオ観察日記

19/20

112人が本棚に入れています
本棚に追加
/257ページ
「・・・艶子、怖かったのか?」 「当たり前でしょ。」 人をなんだと思ってんのよ。いきなりあんなことされたら、誰でも怖いわ。 さすがに一人で立てるようにはなったけど、震えはまだ止まらない。 「昔はあんな風に抱えて跳ぶと、空を飛んでるみたいで楽しいって喜んでいたのに・・・」 ・・・おばあちゃんすごい。 「艶子、お前・・・」 マオはこちらをじっと見つめて、動きを止めた。 あ!まさか気付いた? 自分で気付くのが一番いいはずなんだけど、なんの心の準備もしていなかったから、焦ってしまう。 「・・・可愛くなったな。」 「え?」 「震える艶子・・・。貴重だ。」 顔を逸らし、口許に手を当てているけれど、ニヤついているのが分かる。 ・・・・それだけ? え?ちょっとだけでも疑いは持たないの? あれー―――?
/257ページ

最初のコメントを投稿しよう!

112人が本棚に入れています
本棚に追加