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「・・・艶子、怖かったのか?」
「当たり前でしょ。」
人をなんだと思ってんのよ。いきなりあんなことされたら、誰でも怖いわ。
さすがに一人で立てるようにはなったけど、震えはまだ止まらない。
「昔はあんな風に抱えて跳ぶと、空を飛んでるみたいで楽しいって喜んでいたのに・・・」
・・・おばあちゃんすごい。
「艶子、お前・・・」
マオはこちらをじっと見つめて、動きを止めた。
あ!まさか気付いた?
自分で気付くのが一番いいはずなんだけど、なんの心の準備もしていなかったから、焦ってしまう。
「・・・可愛くなったな。」
「え?」
「震える艶子・・・。貴重だ。」
顔を逸らし、口許に手を当てているけれど、ニヤついているのが分かる。
・・・・それだけ?
え?ちょっとだけでも疑いは持たないの?
あれー―――?
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