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「おばあちゃんほどではないけど、私もけっこう強くなったんだよ。」
「そう。・・・なら、私の助けはもう必要ないね。」
はっきり言葉にしたわけではないけれど、死期が近いことを伝えているのは明白だった。
「・・・そ、そんなわけないよ。四、五匹ならなんとかなるって程度だもん。大群だと何も出来ないよ。やっぱりおばあちゃんがいなきゃね。」
先ほどの言葉の真意に気付かないフリをして、努めて明るく言った。
私のその言動に、おばあちゃんは小さく息を吐き、背筋を伸ばして座り直した。
「真由里。私はもう長くない。だから、今からする話をよく聞きなさい。」
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