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気分が重たくなって、双子には帰って貰った。
おばあちゃんの過去を全く知らなかったことが少なからずショックだったし、何より気持ちがシンクロしすぎた。
周りに恵まれた私ですら、この体質のせいで辛いことはいっぱいあった。
おばあちゃんはどれ程の痛みを抱えていたんだろう。
その考えに引きずられるように、嫌な過去が甦る。
・・・小学校低学年くらいまで私は虐められっ子だった。幽霊なんかが見えて、変な行動をとっているように見られたからだ。
家族でキャンプに行った時には、私が質の悪い子鬼を連れてきてしまって、母を危険に晒したこともある。
どちらも大事には至らなかったけれど、自分の体質が呪わしかった。
私なんかがどうして生まれてきたのかと思うほどに。
・・・・・と、そんな私の感傷的な思いを無視して纏わり付く犬が一匹。
「どうしたんだ艶子。元気がないぞ。肩揉もうか?飲み物いるか?抱きしめようか?」
私が座っているソファーの周りをうろちょろ、うろちょろ・・・
う、ウザさが果てしない。
あと最後のはお前の願望だろ。
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