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部屋に貼ってあった例の50枚のお札は、すべて焼け焦げている。
割れた窓ガラスは部屋中に散らばっていて、マオのおかげで私は無傷だけど、その光景は悲惨だ。
巨大な狐は部屋に飛び込んできたきり、こちらを見つめて動かない。
その立ち姿は怖いのに神々しさすら感じた。
「九尾・・・何の用だ。」
え?マオの知り合い?
「何の用とは冷たいですのね。」
狐の方から美しい女性の声がしたと思ったら、
狐は歪んでいた。
それ以上の表現の仕方が分からない。
まるで目眩や蜃気楼のように、ぐにゃりと存在が歪んでいたのだ。
そして、歪んだ狐が徐々に人へと姿を変えていく。
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