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―――・・・
冷たい空気が背後から走り抜けて、我に返った。
ゆっくり反芻してる場合じゃない。
明らかにやつらとの距離がぐんと縮んでいる。
うん。
単に逃げるだけじゃ、きっと助からない。
言うなら今だ。
荒い呼吸を必死で静め、大きく息を吸った。
せーの・・・
「マオーーー!」
《ちょーだい ちょーだい》
《腹減ったぁー》
《けけけけけ》
・・・
効果ねぇーーーーーーー!!!
すでに限界まで走ってるから、息も絶え絶え。
喉から血の味がするのを通りすぎて、血の臭いがする。
そんな中で叫ぶなんて重労働を行ったのに、ここまで何も起こらないと、おばあちゃんの言った通りに言葉を続けても何も起こらないんじゃないかと不安になった。
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