春だから・・・

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「まぁ、そういう事情なら仕方ありませんわね。艶子はどこまで覚えてますの?」 「え、・・・ほぼ何も覚えてないと思ってもらって支障はないかなー…。」 やっとおばあちゃんとマオの関係が解き明かされる予感がする。けれど、その高揚感よりも罪悪感が募った。 マオが勝手に勘違いしていただけだったあたしが『艶子』だという誤解は、今回のことで、あたしが意図的に隠したことになる。 「魔王様というのは、そのまま魔の王よ。人外の者総てを純粋な力で持って統べる唯一無二の存在。魔族語では人間に発音できない言葉だから、日本語での意訳みたいなものですわね。」 ・・・よく分からん。 「えーと、魔王の意味じゃなくて、どうしてマオが魔王様と呼ばれているか聞いてるんだけど・・・。」
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