春だから・・・

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「あなた話をちゃんと聞いていましたの?人外の者を統べる存在だからと言っているでしょう。」 九尾は不機嫌そうに繰り返した。でも、頭の中の疑問符が消えない。 「マオが?なんで?」 「本当に何も覚えていませんのね。 ・・・300年ほど前まで妖怪や魔物の中で何千年も続く戦争がありましたの。 もはや始まりの原因すら誰も分からないまま続いていた戦いを圧倒的な力で終わらせたのが魔王様よ。」 九尾の瞳がキラキラしながらマオに視線を送っている。 「その戦うお姿は荘厳でいて流麗。慈悲なく冷酷無比な言動は畏怖の念を抱きつつも敬愛せずにはいられない・・・。誰もが憧れ、目標と定める存在・・・でしたのに・・・。」 突如、雰囲気が剣呑になる。
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