春だから・・・

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九尾は自分で言ってだんだん興奮してきたようで、異常な妖気が周りを覆い始めた。 けれどわたしはやっぱり、なんでそこまでおばあちゃんを好きになったかの方が気になって、目線をマオに向けた。 マオは何か考え事をしているのか、棒のように突っ立たままだ。そういえば、さっきから全然会話に参加してこない。 「マオ?・・・マオ!」 「っ!・・・すまない。少し反芻していた。」 「反芻?何を?」 「・・・艶子は記憶をなくしたのに・・・・・・俺のことは覚えていたなんて・・・」 そこかよ。 しかも、なんかちょっと震えてる? も、もしかして、うれしすぎて? 「いや、・・・名前だけ・・・だよ?」 「何言ってるんだ!充分だ!充分過ぎるくらいだ!最近の艶子は俺を喜ばせすぎる・・・。」 喜ばせることなんて何もしてないはずなんだけど・・・。
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