Step 2「密林」

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「……あの子、あれだけの攻撃を受けて、あの程度の傷しか負ってない。 普通なら良くて全身骨折、悪ければ内臓破裂で死は免れない。 それに、あの力……」 オルハの疑念に満ちた視線の先には、楽しげに語らうキィナとレクスの姿があった。 「……キィナ。 貴方は、知っていてその子を「家族」に迎えたの?」 少なくとも、オルハの見た限りでは二人共お互いを心から信頼し合っているように見える。 「……レクス。 貴女が何者かは解らない。 でも、キィナは貴女を「家族」と呼んだ。 なら、私は貴女を信じたキィナを信じる」 オルハの呟きは、誰の耳にも届く事無く鬱蒼と生い茂る原生林に消えて行った。
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