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不満げに唸りながらも、レクスは幹の中腹に大きな傷が刻まれた大木へと向かって走って行った。
「まったく……なあオルハ、レクスの何が気に入らないんだ?」
「……全部。 特に、得体が知れない癖にキィナに信頼されてるのが気に食わない」
「得体が知れないって……あいつ程単純な奴も珍しいと思うんだが……」
身も蓋も無い言い草に、思わず仏頂面になるキィナ。
その時。
「ニャニャ!!? き、木が倒れたニャ!!?
「ご、ごめんなさーい!!!」
突然の大声に振り向くと、借りたハンマーを手に慌てふためくレクスの眼前で、先程の大木が横倒しになっていた。
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