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籍を入れて1週間後。
一輪の花を持って夫は帰って来た。
「バラじゃん。どうしたの?」
「1週間記念日だから。」
「そっかありがとう。」
そう言って玄関先でバラを受け取った。
花束ではなく一輪なのがケチな彼らしいなと思ったが付き合って1週間を記念日としてくれたのが嬉しかった。
「…なんだこれは?」
部屋に入った彼が、床の1センチ四方位の汚れに気付く。
「掃除はしたのか?」
「う、うん。掃除機かけた…」
ギロっと私を睨めつけてこう言った。
「掃除というのは、最初に埃を叩いて落とし、次に掃除機をかけ、水拭きをし、最後にその上から乾拭きする事を『掃除』というんだ。ただ掃除機をかけただけでは意味ないんだよ。」
「…ごめんなさい」
「お前は何の為にいるんだ!」
夫は怒ってチッと舌打ちをした。
たったこれだけの事で、私は三日間夫に無視され続けた。
その後もまるで姑みたいに窓の縁につーっと指を滑らせ、埃があるかチェックした。
彼がこんなに潔癖症だとは思わなかった。
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