814人が本棚に入れています
本棚に追加
次の日、夫はいつものように10分私より前に家を出た。
夫の勤めている会社のビルと私が勤めている会社のビルは隣。
正社員で働ける所を見つけ、しかも夫の会社の隣で出勤時間も同じというので、
一緒にいられる時間が増える!
そう嬉しくなって、初出勤の日に
「一緒に出勤しよう!」
と誘ったが
「お前と一緒にいる所を会社の人間に見られたら俺が既婚者だってバレるだろ。そしたら悲しむファンの女の子達がいるから無理。別々に行こう。」
全く理解出来ない事を理由に断られた。
あなたにファンなんているわけないし、結婚してだいぶ経っているのにまだ独身気取りして何になるの?
ってか独身より若い既婚者の方が、家庭を守って責任感がある、頼りがいがあるというイメージでモテるのに。
馬鹿みたい・・・
それから何度誘ってもダメだった。
結局私が就職して一年間、一度も一緒に家から出る事も、会社終りに一緒に帰る事もしてくれなかった。
なので私も朝、家事を終え、一人で女性専用車両に乗って、帰りは痴漢と戦いながら電車を降りた。
この日は会社で午後半休を貰い、家庭裁判所へ向かった。
最初のコメントを投稿しよう!