調停。

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裁判所に着くなり、3畳ほどの狭い部屋に通された。 中には誰もいなかった。 一面灰色の無機質な部屋。 固い青緑の椅子に座り ―――――30分後 別室に呼ばれた。 そこには60代半ばのふくよかな女性と、60代後半の小さな男性が座っていた。 「今回の話し合いを担当させていただきます○○と△△です。」 挨拶も程々に、持参したノートを取り出し、私は経緯を一通り30分位説明した。 調停員さん2人は黙って私の話を最後まで聞いてくれた。 「それで・・・あの・・・私・・・っ。」 「いいですよ。ゆっくりで。」 予想通り涙が溢れ出し、言葉が詰まり上手く喋れなかったが、事情は伝わった。 ・・・今までの事を思い出して胸が苦しくなった。 何でこんな事しているんだろう 何でこんな思いしなきゃいけないんだろう 途中、吐き気がするほど気持ち悪くなった。 ・・・ノートにまとめてて良かった。 そうでなければ頭が真っ白で、きちんと話せて無かったと思う。
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