川崎 健太

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学校に着くと、自転車を自転車置場の隅に入れ、鍵をかける。 そして、僕と同じ新入生でごった返す掲示板に向かった。 そこには沢山の名前の書かれた紙が貼られている。 運命のクラス分けだ。 僕はその中から、自分の名前を探した。 新一年生は3クラスに分かれる。僕の名前は1―Bにあった。 更に、そこに知った名前が無いか探す。 同じ学校からの生徒の名前は見つけた。でも、残念ながら名前を知っているだけだった。 それでも僕は意気揚々と教室に向かう。小学校、中学校と、みんなとそれなりに仲良くやってきていたから、今度も上手くやっていけると考えていた。 教室に入ると、既に生徒達がいくつかのグループに分かれている。きっと同じ中学校から来た生徒で固まっているのだろう。 みんなの視線が僕に向けられる。真っ直ぐ僕を見る者もいれば、ちらりと視線を走らせるだけの者もいる。 みんな、どんなクラスメイトが来るのかが気になるのだ。僕もそこで立ち止まって、みんなの顔に視線を走らせた。 だが、僕の後ろから男子生徒が二名入ってくると、みんな慌てたように目を逸らす。僕一人、状況が飲み込めていないようだ。でも、 「お前、邪魔」 ドスの効いた低音にビビりながら壁際に寄り、目の前を通る彼らの姿を見てすぐに理解した。みんな、彼らと係わり合いになりたくないのだ。 僕も目が合わないように俯いた。
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