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不意に、自分のモノでは無い体温を背中に感じた。
程無く、するりと自然に両腕が俺の腰に回されて、ぎゅ、と抱き締められた。
今この場にいるのは俺と奴だけで、ならば必然的に俺を後ろから抱き締めているのは間違い無く奴だろう。
最近になっては対して珍しい事でもないので、放置を決め込む。
「なぁ」
「…」
甘めのテノールが退屈そうに耳元で囁いた。
が、これも無視。
俺はただひたすらに愛用のロッドの手入れに専念する―――《フリ》を続ける。
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