知らない好き

逃げてる訳じゃない

｢……あぁ…｣

やっと絞り出した言葉がこれだった｡

逆に言えば､これしか思い付かなかった｡

元々自分の気持ちを素直に言える奴じゃあないけど｡

｢あのな､トシ｣

｢ん??｣

視線を戻すと､まっすぐな近藤さんの眼とぶつかった｡

いつになく真剣な眼｡

仲間を思いやる者の眼だ｡

｢今…きっと総悟が一番辛い｡平気なふりして過ごしてるが､誰よりもミツバさんの命日が怖いはずだ｡
頼むぞ､トシ｡お前なら､総悟の気持ちが分かるだろう?｣

総悟の………気持ち??

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