逃げてる訳じゃない

8/13
前へ
/22ページ
次へ
「……??」 俺が理解できてもいないのに、近藤さんは笑って続けた。 「そうだよなー…分かる訳ないよな!!何言ってんだか!!」 「…おぅ…」 「総悟が何考えてんのか、昔からよく分からん奴だった!!」 「………」 楽しそうに近藤さんは笑うけれど、 今の言葉は本心だろう。 「いや、引き止めて悪かったな、トシ。部屋に戻って、ゆっくり休め」 と、先程とった俺のタバコを無理矢理俺の口に差し込まれた。 「……おぅ」 ここで言及するのはよくないだろう。 近藤さんだって聞かれたくないだろうしな。 俺は静かにマヨライターで火をつけ、部屋を後にした。 .
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

109人が本棚に入れています
本棚に追加