君が死んで一年

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「あまり1人で抱え込みすぎるなよ」 なんとなくだけど。 自分の自己満足かもしれないけれど。 姉上と重なって思えた。 そういえば昔もよく、俺の頭を撫でてくれたものだ。 「ありがとう…ございやす…」 小さくだけど、俺はちゃんと笑えた気がする。 「俺は大丈夫でさァ」 すっくと立ち上がり、急いで部屋を出た。 「おいっ、総悟!?」 近藤さんの言葉にも振り返らずに。 ドタドタとわざと大きく音を立て、自室へと走る。 ………泣きそうな顔を見られたくはないから。 .
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