1.Rage

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「澪治。どう?」 先ほど、俺をこの家に招き入れた奴が言う。 「あぁ、確定だ」 何が確定だというのだ。 だが、問題はそれではない。 何故、視界が暗いのかということ。 この黒はなんの色だろうか。 暗闇の黒か。 憎悪や殺意の黒か。 なんの、黒なのか自分でも分からない。 ただ、凄く、コイツ等の声が近いことはわかる。 「もう完了はしましたか?」 「あぁ、したよ。俺は完璧な澪治だ」 完璧なレイジとはどういう意味だろうか? と、考えた時に俺の視界は広がった。 光が、暗闇の中に差し込んでくる。 白が、黒の中に差し込んでくる。 見慣れない、風景が視界に映る。 そして俺の視界にまず映った人物は、俺を招き入れた男。 優男のような笑みを浮かべて俺を見てくる。 優男の後ろには、窓があった。 いつのまにか朝になっていたようで、雨は止み、窓からは日の光が差し込んでいる。 きっと、差し込んでいた白の正体はコレだろう。 優男は背を向けて歩き出した。 体は、動いてくれなかった。 ―――――――― 「…おかえり、澪治。待ってたよ」
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