2.Laziness

2/12
前へ
/30ページ
次へ
雀っていうのは、止まり木で休んでいる以外はだいたい飛んでいると思う。 だから、そんな雀のように物事一つ一つ、懸命に取り組めるような子になってほしいとつけられた僕の名前。 そしてそんな僕はというと。 見事に期待を裏切った。 何をするにも気力が湧かない今年で十九になる僕。 大学にも通わず、バイトも週に一回。 両親は事故で他界したから、その保険金で暮らしている。 ご近所の人達も、同情からかいろんな物をおすそわけしてくれるため、バイトなんかやらなくても特に困らなかった。 昔は、何だって頑張っていた。 両親におこづかいをもらったり、先生に褒めてもらったりするのが嬉しかった。 何より、両親が僕のことを誇らしげに話している姿が、僕にとっての幸せだったから。 でも、両親が死んでから、全てがどうでもよくなった。 何をするにも、気力がわかなくなったんだ。 やらなければいけないと分かっていてもやりたくなかった。 だから僕は、ゲームをするわけでもなく、本を読むわけでもなく。 ただ、本当に必要な事だけをやっていた。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加