2.Laziness

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今日はバイトがある日だから、休みたい欲望をおし殺して、ダルさを感じながらもバイト先に行く。 宏樹君は、いた。 空元気なんだろう。 何も知らないような表情で作業をしていた。 「おはよ」 「あ、おはよう」 僕が軽く挨拶をすると、女性うけのよさそうな爽やかな笑顔で返ってきた。 男の僕からしてみても、宏樹君はかっこいいと思う。 穏やかで優しいし、物覚えだっていい。 今日は僕と宏樹君、オーナーの三人だけだった。 「そうそう、あのさ。前に話した登山の話なんだけどね……」 僕に爽やかな笑顔を向けながら話しかけてくる宏樹君は、本当に何もしらなさそうだ。 でも、身内が行方不明になったのにも関わらず、その連絡がいかないわけはないと思う。 多分。 「いい山なんだ、そこが。 特に頂上から見た田舎の景色がたまらなくいいんだ」 本当に嬉しそうに宏樹君は話している。 何がそんなに楽しいのだろう。 宏樹君には悪いけど、正直話を聞くのもダルい。 客が少ないのもあって、話ながらやったんだけど結局僕は、話を半分も聞いていなかった。 ただ、田舎にある山に行くと心が落ち着く、ということだけは頭に残っていた。
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