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目を覚ました時には、僕は見慣れないところにいた。
「起きたか??」
声が聞こえた方面を見ると、三人の男性がいた。
基本的、僕はむさいだとかそんなのは考えない主義だから男しかいないのには何も言わない。
言うことが面倒だしね。
ただ、ここは何処なんだろう、とは思った。
「おはようございます。
ここは山の中にある名もない孤児院ですよ」
歳は、二十代後半位だろうか??
優しそうな表情をしながら、まるで僕の考えを読み取ったかのように話してきた。
彼のいうことが本当なら彼らは孤児で、僕は孤児院に運ばれたということだ。
なんて面倒な話だろう。
どう帰ればいいか分からないうえ、ここは山の中だという。
僕が倒れたのは夕方で、おそらく今は夜なんだろう。
登山なんか面倒すぎて経験のない僕は、夜に下山なんてできるはずがない。
否、まず、下山が面倒すぎる。
いっそ、飛び降り自殺でもしたいくらいだ。
「返事、ないけど……大丈夫かよ??」
僕は、話すのがものすごく面倒だから話さないまま頷いた。
そう言えば、この声には聞き覚えがあった。
あぁ。思い出した。
僕が倒れる前に聞いた声だ。
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