2.Laziness

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「あの…お名前をうかがっても、よろしいでしょうか?」 男の人は、まるで決められた台本を読んでるみたいに、声に弾りがない。 でも、尋ね方はいたって丁寧な尋ね方だ。 「あ、ちなみに私は、澪、といいます。 こちらにいる人は澪治です。 ここの管理者は、今留守なんです」 先に聞くのは無礼と感じたのだろうか。 聞いてもいないのに、勝手に自己紹介をした。 僕が何もはなさないのはダルいからってだけなのに、勝手に話を進めていく。 こんなに話されたらたるくて話したくなくても話さなければいけない気になる。 「荒山雀です」 聞かれた事を答えるだけの淡白な返事をする。 夢見が悪いせいだろうか。 なんだか、どうしてもいつもより淡白になってしまう。 世界の全てがどうでもよくなってしまう。 どうして、だろう。 「もう夜だ。下山するのもなんだろ? 泊まっていけよ」 まるで、先程までの僕の思考を読んだように僕に泊まるように促すレイジさん。 初めて来る場所に、初めて会う人。 いきなりそんなこと言われて怪しさは尋常じゃない。 でも、ダルくて、帰りたくなかったから、僕はその言葉に頷いた。
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