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二人は夕飯を作るとか何とかでいなくなった。
面倒ではあるものの、此処はどんな所だろう、という興味が沸いた。
ベッドから起き上がって部屋を出て周りを見渡してみる。
一見普通の家ではあるものの下からは子供の声が二、三人分程聞こえた。
そして僕自身も、本当に此処は孤児院なんだなと実感した。
ただ、少し疑問。
レイジさん、レイさんは二人とも成人的な感じだった。
それでなんでここにいるんだろうか。
……まぁ、流石にこれ以上考えるだなんて面倒すぎるため、止めようと思う。
階段を下っていくとすぐに玄関だったので、仕方なく真っ直ぐにはいかず右に行く。
「……あれ?」
一つの部屋が、かなり荒れていた。
まるで、ここで大喧嘩が起こったかのようだった。
『逃げろ』
本能はそう伝えるのに、足が震えて動かない。
両親が死んだあの交通事故の日を思い出す。
気持ちが悪くなり、膝をつく。
「だいじょーぶ?」
ひょい、という効果音がつきそうな勢いで、僕の顔を一人の少女が覗き込んできた。
下だけ緩いウェーブ…だっけ?
そんなのがかかっている、中学生位の少女。
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