2.Laziness

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「君、は……?」 「江恋。江戸の江に、恋愛の恋で、江恋」 別にそんなに詳しく言わなくてもいいのに。 何てことを思った。 親切なのか礼儀正しいのか、はたまた猫被りなのか。 僕にはどれか分からないし、興味もない。 「で、君は?私、こんなに丁寧に言ったんだから、ちゃんとそれなりな名前の答え方はしてくれるんでしょうねぇ?」 何だ、ただの腹黒か。 「荒山雀。荒い山で荒山、雀は普通に鳥の雀だよ」 なんて、面倒なんだろうかと思う。 こんな面倒な自己紹介の仕方をしたのは久しぶりだった。 目の前の少女を見ると満足したような笑みを浮かべていた。 「何だ、ちゃんと喋れるじゃない。 澪兄さんや澪治兄さんは嘘つきでやぁね」 嘘つき…? 何か、僕の事をこの江恋と名乗る少女に言ったのだろうか。 でも、いつ言ったのだろうか。 僕が寝ている間だろうか?? そうなのだとしたら、いつだろうか? ……なんだか、此処に来て頭を使うのが増えている気がする。 両親が死ぬ前の僕みたいだ。 あの時は、たくさん学び、たくさん考えている自分がいた。
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