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「あのクソ上司が!!」
今日が〆切だった発案書。
朝方まで徹夜してなかなか上出来だと思ってた。
眠いのを堪えて発案書を抱えて出勤して上司に見せた。
そしたら、あの上司は俺を嘲笑しながら言った。
『これは子供の落書きじゃないんだぞ?』
と。
そのあと、昨日までが〆切だった後輩の発案書がウケていた。
それこそ、落書きじゃないか?と聞きたくなるほどの発案書が。
苛つきの原因はそれだけじゃない。
必死にムカつきを抑えつつ俺は自分の仕事をする机に向かった。
だが、俺の机を誰か分からないやつが座っていた。
何事かと上司に聞いてみれば
『君、もう来なくていいよ』
と言われた。
リストラだった。
このご時世、んなものはよくある話だとは思う。
だが、一言もいれずにいきなりだった。
家庭があったわけではないが、無駄に苛つきがたまった。
そして怒りのままに駅に行き、帰路についていた。
だが、俺はふと、山に行きたくなった。
弟が森林浴が大好きでよく連れられていっていたが、いつも心が休まっていた。
どこでもいい。
落ち着くことができる場所に行きたかった。
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