10人が本棚に入れています
本棚に追加
しばらく窓の外を見ていたら山が見えた。
名前もしらない駅で降りて、行く道を聞く。
すると、登山口まではバスで行けると言うことが分かりバス停まで案内してもらった。
田舎町なのか、バスはなかなか来ない。
「んだよ、とろくせぇなぁ!」
もともと気が長いほうではないのに加えて、今の状態が重なりそのバスを待っていることすらも億劫で、苛立ちの対象だった。
すると、奥の方からバスが来た。
金を投げるように払い、中に入ると一人だけいた。
しかし、そんなことはどうだっていい。
適当に窓際の二人用のイスに座る。
信号もない田舎町を進んでいくが、着くまでに時間がかかる。
その時間待ちにも苛立ちを覚える。
「おい!もうちょっと早く行けねぇのかよ!」
俺が怒鳴るように言ってみても、運転手はピクリとするだけで怯えたりはしていない。
慣れているのか、馬鹿にしているのか。
もしも後者であるのならムカつくことこのうえない。
「もう着きますよ」
冷静に返してきた言葉を聞いて前を見てみると、遠くで見て思っていたよりも大きく緑の茂る山があった。
最初のコメントを投稿しよう!