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近づいてみると電気がついてる。
雨は、俺を嘲笑するように強くなる。
二回ほどノックをして少しすると一人の男が出てきた。
「はい?どちら様でしょうか?」
扉の先から出てきた男を見て、なにかがひっかかった。
―俺はコイツと会ったことがある?
と。
どこか、見覚えのある感じだった。
だが、今はそんな時ではない。
「森林浴に来ていたら雨が降ってしまって…」
というか、外で雨降ってる事くらい気がつけよ。
今こう説明している間にも雨は降り続けていて、かなり苛立ちを覚える。
「そうですか。では、どうぞ。
おあがり下さい」
どこか嘘っぽい笑いかたで俺が中に入るのを促す。
家に入らせてもらうと、男についていき、真っ直ぐ続く廊下を歩く。
少し歩くと、なんだがガキ共のような声が聞こえてきた。
「私のものだって言ったじゃん!
なんで勝手にとったりするの!!?」
「そっちがウチのケーキを食べたからでしょ!!?
そっちこそ勝手に食ったじゃん!!」
うるさい喧嘩だ。
ケーキだか何だか知らないが、そんなことで怒るガキ共を殴りたくなってくる。
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