1.Rage

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近づいてみると電気がついてる。 雨は、俺を嘲笑するように強くなる。 二回ほどノックをして少しすると一人の男が出てきた。 「はい?どちら様でしょうか?」 扉の先から出てきた男を見て、なにかがひっかかった。 ―俺はコイツと会ったことがある? と。 どこか、見覚えのある感じだった。 だが、今はそんな時ではない。 「森林浴に来ていたら雨が降ってしまって…」 というか、外で雨降ってる事くらい気がつけよ。 今こう説明している間にも雨は降り続けていて、かなり苛立ちを覚える。 「そうですか。では、どうぞ。 おあがり下さい」 どこか嘘っぽい笑いかたで俺が中に入るのを促す。 家に入らせてもらうと、男についていき、真っ直ぐ続く廊下を歩く。 少し歩くと、なんだがガキ共のような声が聞こえてきた。 「私のものだって言ったじゃん! なんで勝手にとったりするの!!?」 「そっちがウチのケーキを食べたからでしょ!!? そっちこそ勝手に食ったじゃん!!」 うるさい喧嘩だ。 ケーキだか何だか知らないが、そんなことで怒るガキ共を殴りたくなってくる。
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