10人が本棚に入れています
本棚に追加
「座れよ。立ち話もなんだろ」
俺を最奥の客間のような場所へと案内し、その部屋のちょうど中間あたりに置いてあるソファに腰かけたレイジ。
自分の目の前にあるもう一つのソファ一瞥して俺に言ってきた。
登山で疲れていたのもあるし、座らせてもらった。
まぁ、客を部屋に招き入れておいて座らせないのも礼儀知らずではあると思うが。
「ありがとう」
それでも、座る前にお礼は言っておく。
お礼なんざ、心から思っていなくても、口にだせば゙お礼゙になるんだから心はこもってなくてもいいと思う。
座りながら俺がそんな事を考えていると、目の前の男、レイジが口を開いた。
「人間の罪、七つの大罪。
その中の一つ、憤怒。
激しい怒りに包まれ理性を手放し
憎ましき相手もそうでない相手も
全てを刃物で切り刻む。
四肢を切り、ソレを土に埋める。
理性を取り戻した時には時既に遅し。
死神に記憶を奪われた」
淡々と話を進めていくレイジが何を言いたいのか俺にはイマイチ理解が出来なかった。
当たり前だ。
なぜ、今会ったばかりの奴にこんな気分が悪くなるような話をされなければいけないのだろうか。
逆に、不快になってきた。
最初のコメントを投稿しよう!