序章

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「どこにあるんだ…?」  部屋という部屋を片っ端から探し回っていく。  けどどこにもそれらしきものは見当たらない。  しらみ潰しに探していると最後の部屋にて、ようやくそれらしき部屋を見つけることができた。 「お、それっぽい感じの部屋だな~何かありそうだぜ?」  見た限りでは荒らされていないようだ。  どうやらまだ間に合ったらしい。  レッドはダハーカから降り、手当たり次第に探し始めた。 「ファイル……ファイル……っと、ん…?」  やけに分厚い一つのファイルを手に取り、開いてみる。  そこにはビッシリと数字がいくつも書かれた紙類が挟まれていた。 「……裏金とか取引とかのメモか?きっとこれだな!よし、いただいていくぜ!……んで、」  そのファイルを脇に抱え、レッドはぐるりと室内を見回す。  そこにはファイル以外にもいろいろな物が雑多に置かれていた。 「盗まれたお宝とかはねーのかよ!」  そこに置かれているのは、どれも“宝”というには程遠いものだった。  せっかくだからとレッドはお宝も探そうとしていたのだ。  だが、これでは期待できそうにない。 「くっそー……ん?」  床に赤く点滅しているものがある。  スイッチだ。  確か重い物を乗せて作動するタイプのものだ。  近くにはちょうど良い具合のコンテナもおいてある。  レッドはダハーカに乗り、そのコンテナをスイッチの上に乗せた。  カチリと音がし、壁だと思われていた扉が上下に開かれていく。 「よし、開いたな!しかもちゃんとあるじゃねーか!」  そこには大切そうに飾られたメダリオンがあった。  ただのアクセサリーにしてはかなり手が込んでおり、それなりの値段が期待できそうである。 「どーせ盗まれたお宝だろーしな……いただいていくか!」  レッドはダハーカから降りて、そっとそれを手に取った。  その瞬間、メダリオンは眩い光を放った。 .
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