序章

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 格納庫にてダハーカの最終チェックを行い、乗り込む。  ゆっくりと格納庫の扉が開き、ショコラからの無線が入った。 『ハンガー内、滅圧完了!リリースシステム、オールグリーン!』 「オーケイ、行きますかっ!」 『は~い、カウントダウン開始!10秒前……』  全ての準備が整った。  ハンドルを握り、始まるのを待つ。 『5秒前……』  ダハーカのエンジンが入り、徐々にモーター音が大きくなっていく。 『3、2、1……Go!』  そして合図と共に、ダハーカは大空へと飛び立った。 「イヤッホ~~ゥ!!」  アームを広げ、暫しの自由浮遊を楽しんでいると、すぐに目標の貨物船……ヒンデンブルグが見えてきた。  レッドはダハーカを操作し、その船の甲板に降り立った。  真っ先に辺りの状況を確認していると、ショコラから無線が入った。 『状況はどう?なにか問題はない?』 「おう!バッチリヒンデンブルグに着いたぜ!」 『さすがお兄ちゃん!……ところで着地のショックでロボが壊れてない?』  気づかれないギリギリのラインまで近づいたが、それでもかなりの距離があった。  いくら頑丈なロボでも、着地を失敗すれば簡単に壊れてしまう。 「んー?ダハーカなら大丈夫だろ」  生まれた時から傍にいると言っても過言ではないダハーカ。  どんな危険な任務も、このダハーカがあったからこなしてこれたのだ。 『もう!ちゃんとチェックしてよね、お兄ちゃんっ!』 「ははっ、わかってるっての!……んじゃ、始めるぜ!」  通信を切り、レッドは潜入を開始した。  今回の任務は、盗まれた重要ファイルを取り戻すことである。  前もって貰った情報では、そのファイルは船の一番下の特別な部屋にあるらしい。  まずは一番下を目指すことにした。 .
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