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レッドはエントランスを抜け、吹き抜け状になっている第1外部通路にやってきた。
高度があるため常に強い風が吹き続け、油断するとすぐに飛ばされてしまう。
ここは慎重に行った方が良いだろう。
レッドはゆっくりと、けれどなるべく急いで通路を渡る。
しかし………、
「げげっ!!クーバースの戦艦じゃねーか!?」
なんとすぐそこに、クーバースのギルドマークの入った戦艦が訪れていた。
まだレッドが潜入に気づかれてから、そう時間は経っていない。
ずいぶんと素早い対応である。
さすが巨大ギルド、と言ったところだろうか。
***
「艦長!ヒンデンブルグより入電!侵入者がまた現れたとの事です。今度はロボに乗った少年が一人!」
操縦室にいた艦長、ガレットのところに一人の兵が報告にやってきた。
「ぬ、ぬあにィ!?……それはあそこのバカの事かっ?」
怒りを隠すことなく露にしたガレットは、震える指で窓の外を指差す。
外部通路にはイヌヒトの青年……レッドが余裕満々に挑発していた。
「どうなさいますか?艦長、兵を送り込み……」
「発射用意、撃てぃ!!」
ガレットは怒りのままに部下の話も聞かずに、そう指示を出した。
***
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