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「君名前はあるの?」
「あるわけない。猫には名前なんて必要ないからな」
「でも君とか猫とか呼ぶのも嫌だし何かつけてあげようか」
少年は自分のことのように嬉しそうに話していた。
名前をもらう……何もかもが初めての事でその度に俺の心は弾んだ。
決して表には出さないが……
そこが俺の悪いところなのかもしれない。
「う~ん。じゃあ黒い身体してるからクロは?」
「嫌だ」
少年の温かさを素直に受け取る術が未だに見つからない。
何となく反発してしまう自分を忌わしいとさえ思う。
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