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「お前の……名前は……」
少年は川の流れに目をやりながら呟く。
「僕の名前? 僕は航太。河崎航太だよ」
航太――この名前を忘れることは絶対にないだろう。
俺を初めて避けないでいてくれた者として。
「航太か……よ……よろしく……」
こんな時なんて言えばいいんだ!
今まで誰がと接することなく孤独に生きてきた俺にとって精一杯の挨拶だった。
「うん! よろしくね。ネロ」
俺はこの時航太の笑顔とネロという一言で改めて名前を与えてくれた事に心の中で感謝した。
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