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それからというもの俺と航太は常に一緒だった。
航太の親は家の中に入れることは承諾してくれなかったが庭先に小さな段ボールに毛布を入れた寝床を置いてくれた。
今までろくな寝床なんて無かった俺にとってそこは楽園のようで外敵の心配もなかった。
航太の家は青い屋根の一軒家で航太の部屋は2階にあるらしい。
俺と航太は暇さえあれば一緒に散歩に出かけた。
航太の瞳も初めて出会った時よりも澄んだ瞳に変わっていた。
「僕ね将来は動物の傷や病気を治す獣医さんになるんだ」
包帯を俺の耳に巻きながら航太は嬉しそうに話す。
「航太ならきっと優しい獣医になれるさ」
俺の耳の傷は航太のおかげで徐々にではあるが良くなっていた。
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