『君のぬくもり』

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しかし野良として暮らしていくことは決して楽ではなかった。 縄張り争い、食べ物の争奪戦と夜もゆっくり寝られない。 この日も昼間から縄張り争いで俺は5匹の野良猫から逃げていた。 さすがに5匹相手に争えるほど度胸も無ければ、力も無かった。 俺は路地裏を駆け回りなんとか奴らを撒こうとした。 しかしむこうにも縄張りを守るというプライドがある。 なかなか簡単に撒くことはできず俺の体力は次第に限界にきていた。 路地裏は無理だと感じた俺はとっさに曲がり表通りに出ようと飛び出した時だった。
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