『君のぬくもり』

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よく見てみるとそいつは中学生くらいの少年で学校の帰りか制服姿だった。 俺を見る表情からは大人しそうな印象を受ける。 そしてその瞳からは微笑みの奥に何か暗いものを感じたような気がした。 「なぜ俺を助けた」 俺は無意識のうちにその人間に話しかけていた。 なぜ話しかけたのかは自分でも分からない。 人間はきょろきょろと見まわした後ふと地面にちょこんと座っている俺を見た。 「君が話しかけてるの」 ごく当り前の反応だ。その後に変なものを見る目に変わり避けられるんだ。 こんなことには慣れていた。
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