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「猫が喋るなんて気持ち悪いと思っただろ」
少年の顔は何故か悲しそうな、そして労わっているようにも見える表情だった。
「君も大変だね」
予想外の返事に俺は戸惑いを隠せなかった。
初めてのことだったのだ。
俺のことを避けずにまっすぐに見つめる者は……
その温もりも初めてで俺はそれを拒否する術しか持っていなかった。
「うるさい!」
俺はそう叫び表通りを走り抜けた。
俺のことを最後まで見つめている少年を背後に残して……
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