乱す男

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モニターに釘付けのバカが約一名。 バイト先。 カウンター。 客の目に触れない位置に配置された画面にかじりつくのは、同い年の大学生だ。 「……どこまでいく気かな」 ボソッと呟かれた台詞を、鼻で笑ってやった。 「どこまでも見たいわけ? 信じらんねえ」 「興味ないフリすんなよ」 「フリじゃないし。 興味ゼロ。勝手にやってろって感じ」 吐き捨てて、モニターにちらっと目をやった。 カラオケに来たくせに、歌も歌わずイチャイチャしまくる男女の部屋。 わざと照明を暗くしてもごまかせていない。 現に、この男にガン見されている。 「アホらし」
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