ひとり

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★★★ 将太に会いたい。 けれど、現実問題として電話を掛けるのが怖い。 着信拒否の可能性もある。 電話をして出てくれたとして、そこでこじれてハイさようなら、も避けたい。 メールはもっと怖い。 アドレスが変わっていたら、その時点で望みが消えてしまう。 恋に臆病なのは、なにも将太の専売特許なわけじゃない。 俺だって怖い。 好きだから。 好きだから怖くなる。 でも俺は逃げたくない。 諦めたくない。 バカな俺が発動したきっかけは、バイトの一件。 でもあんなことがなくても時間の問題だったと思う。 ぶちまけたのは嘘であり、本音。 裏腹な気持ちの舵を手放してしまった。 一度、離れたほうがよかったんだ。 ひとりで泣いたら、イガイガしたものが流れていったから。
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